美肌・若返り

【医師解説】スレッドリフトの満足度・合併症・リスク・肌質改善効果の真実。

年々深いしわを刻んでしまう「ほうれい線」
「老けたかなあ」と感じたら、お顔のたるみやほうれい線が原因だったということもあると思います。
お顔のたるみやほうれい線が少しでも改善すれば、若々しくなります。
お顔のたるみ・ほうれい線の改善方法としては
1 レーザーによるひきしめ

2 ほうれい線にヒアルロン酸注入

3 ヒアルロン酸でリフトアップ(VISTA-Shape MDコード)

4 スレッドリフト治療

5 フェイスリフト手術
などたくさんありますが
手軽にリフトアップすることができるためスレッドリフト治療はとても人気があります。
そのため、今回はスレッドリフト治療の満足度・リスク・肌質改善効果に関して美容外科医の視点からまとめていきます。
では、内容を詳しくみていきましょう。

スレッドリフトとは

スレッドとは糸のことです。
そのため、スレッドリフト治療とは糸によるお顔のリフトアップ治療を総称して言います。
スレッドリフトには糸の種類、挿入方法などによって様々な方法があります。
なお、吸収性の糸を用いたスレッドリフトが安全性が高く人気です。

スレッドリフトの効果

スレッドリフトはお顔のたるみ治療です。
そのため、主に以下のような効果があります。
・フェイスラインのたるみが改善し小顔効果。
・ほうれい線が目立たなくなる。
・口角・口角下のたるみが目立たなくなる。
・ゴルゴラインの改善。
・肌の引き締め効果。
・肌のハリの改善。

スレッドリフトの満足度の真実


 
スレッドリフトは糸によるリフトアップ治療であり韓国や日本だけでなく世界中で行われている人気な施術です。
スレッドリフトの満足度に関して参考になる文献があり、今回紹介させて頂きたい文献は
「スレッドリフト(糸の材質はPDO)による顔の若返り治療を受けた方の満足度調査研究」です。
(Outcomes of polydioxanone knotless thread lifting for facial rejuvenation.)
<1>
意外と論文が少なめな分野なのでこの文献には貴重なデータが書かれています。
 

方法

・スレッドリフトの施術を受けた方を2年間以上調査。(後ろ向きに)
・施術を受けたのは31人。
・リフトアップに使用した糸の本数はほうれい線のたるみに対して5本、マリオネットラインに対して2本。(合計で左右7本ずつ。)
 

結果

・満足した人の割合は87%。
・格付け評価の方法は2名の医師の診察で行われた。
・格付け評価は”excellent,” “good,” “fair,”  “poor.”の4段階。
・肌質改善に関しては、もっとも良い”excellent,”が13人、良い”good,”が9名という格付け評価であった。(31人中)
・リフトアップ効果に関しては、もっとも良い”excellent,”が11人、良い”good,”が6名という格付け評価であった。(31人中)
 

結論

「Facial rejuvenation using PDO thread is a safe and effective procedure associated with only minor complications when performed on patients with modest face sagging, fine wrinkles, and marked facial pores.」

「スレッドリフト(材質はPDO)を使用した顔の若返りは、軽度の顔のたるみ、小じわ、毛穴が目立つ患者において合併症も少なく安全かつ有効な施術である。」
  

まとめ

どんな施術であっても(注射やレーザーを含め)個人差がありますし満足してもらえないということは少なからずあると思います。
そんな中で糸や繊維のリフトアップ治療であるスレッドリフトの満足度が87%とは、満足度が高い施術と言うことができます。
非常に効果的な若返り治療ですね。

ただ、少し意外だったのはリフトアップ効果よりも肌質改善効果の方が満足度が高いという点でした。
施術1ヶ月後に「化粧ノリが良くなった」とか「肌にハリが出た」という声は確かによく頂きますがリフトアップ効果よりも満足度が上とは思っていなかったです。

スレッドリフトの合併症・リスクの真実

「ハッピーリフト(スレッドリフトの種類の一つです。)による顔の若返り効果に関して調べた研究」という文献を紹介させて頂きます。
(Outcomes in thread lift for facial rejuvenation: a study performed with happy lift™ revitalizing.)
<2> 
スレッドリフトは糸によるリフトアップ治療であり韓国や日本だけでなく世界中で行われている人気な施術です。
その中でもハッピーリフトはスレッドリフトの中でもオーソドックスなもので多くのクリニックで行われています。
では、内容を詳しくみていきましょう。
 

方法

・スレッドリフトの施術を受けた方を2年間以上調査。
・施術を受けたのは37人。
 

結果

・満足した人の割合は89%。
・左右非対称となったのは6%であったが、簡単に修正された。
・合併症の頻度は少ないが、以下のようなものが認められた。
→腫れ、内出血、赤み、少量の出血 、一時的な感覚障害。
 

結論

「Thread lift with “Happy Lift™ Revitalizing” is a safe procedure associated with minor complications, when performed on cohorts of patients requiring a facial lifting of modest degree.」
 
「スレッドリフト(種類はハッピーリフト)による若返りは、中程度の顔のリフトアップが必要とされる患者さんにおいて、合併症も少なく安全な施術である。」
 

まとめ

 
スレッドリフトであるハッピーリフトの満足度が89%とは、非常に満足度が高い施術と言うことができます。
非常に効果的な若返り治療です。
また、合併症の頻度も少なく、今回の文献での合併症の報告としては腫れ、内出血、赤み、少量の出血 、一時的な感覚障害ということです。
合併症も少なく非可逆的なリスクもないため
安全な施術ということができますが、合併症が不安な方は医師に相談しましょう。
 

スレッドリフトの肌質改善効果の真実

糸や繊維のリフトアップ治療は果たして肌質改善効果がどの程度あるのか?
なぜ肌にハリが出るのか。
そのあたりは気になりますよね?
 
そこで、今回紹介させて頂きたい文献は
「スレッドリフト(糸はトゲのあるタイプ)による顔の若返りに関してまとめた研究」
「Use of barbed threads in facial rejuvenation.」
です。
<3>
  
スレッドリフトは糸によるリフトアップ治療でありリスクも少なく効果が高いため世界中で広く行われている人気な施術ですが
 日本語ベースですと教科書的なものがほとんどなく、英語論文も意外に少なめな分野なのでこういった文献は貴重な資料と言えるでしょう。
 では、肌質改善効果に関しての内容をピックアップしながら詳しくみていきましょう。
 

肌質改善効果について

 
肌質改善効果については、以下のような記載がありました。
 
Barbs on the thread grab hold of skin tissue. This creates tension in the thread, and the tension lifts the skin tissue. Collagen formation occurs around the threads and their cogs or barbs, producing an increasing effect.
「肌組織の中で糸のトゲがひっかかっている。
このことにより糸にテンションがかかり、テンションによって肌を持ち上げていて
コラーゲン形成が糸やトゲのまわりで起き、増大する効果を生む。」

 
つまり、分かりやすく説明させて頂くと
 
糸が挿入されている。
→肌の中で刺激になる。
→コラーゲン産生が活発になる。
→肌の弾力やハリがアップして肌質改善!
 
ということです。
 
また、これを専門的に言えば
メカノバイオロジー(Mechanobiology)の影響ということができます。
一般的に、物理的刺激があることによって、ヒトの臓器・組織や細胞が今の形態・機能を維持します。
 
この現象を細胞レベルで見てみると、細胞自体も物理的な力を受けて形態学的に変化したり、細胞内外での物質の移動が起きます。
スレッドリフトが挿入されている場合は糸・トゲの刺激、糸のテンションの刺激、それらの物理的な刺激によって線維芽細胞が活性化されコラーゲン産生が促進されるということでしょう。
 
ちなみに、このようなメカノバイオロジーを応用したものは美容医療以外で言えば
陰圧閉鎖療法や体外衝撃波治療が典型例として挙げられると思います。
創部の細胞や細胞環境が刺激され、メカノシグナル伝達経路を介し、創傷治癒が促進するというわけです。
  

スレッドリフトによる皮膚変化の組織画像(HE染色)


(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2825122/)
 
皮膚の組織画像が紹介されていました。
要するに、スレッドリフト後の皮膚の内部構造の変化に関して詳しく顕微鏡的に見たものというわけです。
 
組織画像の解説は以下のように記載されていました。
 
Histological slide showing collagen deposit around the thread and its knots
「組織学のスライドが糸や糸のこぶの周囲にコラーゲンが産生されていることを示している。」
 
詳しい皮膚の組織画像の解説の記載はありませんでしたので
補足説明を簡単にさせて頂きます。
まず、コラーゲン繊維というものはHE染色でeosinに反応してピンク色に染まります。
 
そして、コラーゲン繊維は肌の真皮のだいたい70%ほどを占めると言われています。
そのため、これほど肌の真皮組織がピンク色に染まっているということはコラーゲン産生が豊富にされているということでしょう。
これだけコラーゲンが産生されれば肌のハリや弾力の効果を実感できそうですね。
 

まとめ

 
今回の文献よりスレッドリフトの肌質改善効果は理論的に、そして組織学的に証明されているということが言えます。
 
(もちろん、肌質改善の程度の評価は難しいでしょうが。)
 

まとめ。信頼できる医師を選びましょう。

スレッドリフトは手軽にリフトアップすることができ肌質改善効果があるため若返り治療としてとても人気がある施術です。
そして、糸や繊維を用いたスレッドリフトは施術する医師の技術に結果が大きく左右されます。
しかし、ホームページや経歴などから医師の技術を評価するのは美容外科医の立場であっても正直困難です。
 
そのため、最低でも100症例以上のスレッドリフトの経験がある医師を選びましょう。
腫れや痛みが少なくてしっかりとした結果を出すには最低でも100例くらい経験しないと難しいと思います。
 

【参考文献】
<1>Suh DH et al:Outcomes of polydioxanone knotless thread lifting for facial rejuvenation.
Dermatol Surg. 2015 Jun;41(6):720-5.
<2>Savoia A et al:Outcomes in thread lift for facial rejuvenation: a study performed with happy lift™ revitalizing.
Dermatol Ther (Heidelb). 2014 Jun;4(1):103-14. doi: 10.1007/s13555-014-0041-6. Epub 2014 Jan 17.
<3>Rakesh Kalra et al:Use of barbed threads in facial rejuvenation.
Indian J Plast Surg. 2008 Oct; 41(Suppl): S93–S100.

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