美肌・若返り

【医師解説】顔の脂肪注入の効果・ダウンタイム・9の注意点・リスクまとめ。

「ほうれい線が気になるけど長く持つ治療が良い。」
「朝鏡で自分の顔を見るとなんだか老けて見える。」
「若返り治療をしたいけど顔にメスを入れたくない。」
そんな方は少なくないでしょう。
そこで、自分の脂肪を使用した脂肪注入にはとてもニーズがあります。脂肪を注入することによってシワを改善したり、ハリが出て若々しいお顔にすることが可能です。
しかし、手術になりますのでリスクはゼロではありません。
そこで今回脂肪注入の効果からダウンタイム・リスクまで美容外科医・美容皮膚科医の視点から説明していきます。

脂肪注入とは?

自分の吸引した脂肪を注入する施術です。
脂肪は一部は吸収されてしまいますが、半永久的に効果が持続します。
そのため、ヒアルロン酸と異なり長期的な効果が期待できるというメリットがあります。
なお、脂肪吸引の部位としては二の腕・太ももを用いることが多いです

脂肪注入の流れ

1 医師とカウンセリング

医師と脂肪注入したい箇所や脂肪吸引する部位、麻酔方法、リスクなど説明を受けます。

2 料金の説明や同意書の記入など

料金の説明を受け、納得すればそこで同意書等を記入し料金の支払いをします。

3 デザイン

脂肪吸引する部位(二の腕or大腿)のデザインや脂肪注入する部位のデザインをします。

4 脂肪吸引

脂肪吸引から始めます。
この時に静脈麻酔(※1)や笑気麻酔(※2)を併用することが多いです。
まず、局所麻酔の注射をカニューレを挿入する部位にします。
3,4mmの針穴をあけます。
カニューレを用いてチューメセントという麻酔液を脂肪吸引する部位に広範囲に注入します。
十分に注入した後に脂肪を吸引していきます。
脂肪を適量吸引した後にフェザリング(棒のようなもので脂肪吸引した部位を均一にします)で脂肪を吸引した部位を滑らかにし終了です。
最後にあけた針穴をダーマボンドという医療用のボンドで閉じます。

(※1)点滴による麻酔で主にプロポフォールを用いることが多いです。使用することで眠った状態で施術を行うことが可能です。また、施術中に仮に痛みを感じたとしても終わった後には忘れています。
(※2)吸入による麻酔です。少しうとうとしたりリラックスする効果があります。眠ったり意識を失うような作用はありません。

5 脂肪注入

脂肪注入する部位に局所麻酔をします。
その後に脂肪を丁寧に注入していきます。
十分な脂肪を注入したら施術は終了です。
なお、注入の際の注意点としては脂肪注入するために針穴をつけますが18Gという太い針穴のため1ヶ月程度針穴の色素沈着があります。

6 帰宅

終了後に少し休んでから帰宅します。
なお、脂肪吸引した部位は当日のみ圧迫することもあります。
(クリニックの指示に従いましょう。)

脂肪注入可能部位

額・眉間・こめかみ・涙袋・下眼瞼・ゴルゴライン・口唇・ほうれい線・頬骨下・口角・アゴが主な注入部位です。
気になるシワやボリュームを出したいところはほとんど可能と言えるでしょう。
ただ、涙袋・下眼瞼・口唇に関しては薄い組織のため凹凸のリスクがあり注意が必要となります。
なお、美容目的以外にも凹みを伴う瘢痕、外傷による凹み、Romberg病による陥凹など適応は広いです。

脂肪吸引部位

大腿内側・二の腕・腹部の順で脂肪吸引を行うことが多いです。
脂肪吸引部位は脂肪のつき方・過去の手術既往にもよりますので医師に相談しましょう。

脂肪注入のダウンタイム

【脂肪吸引した部位のダウンタイム】

通常、脂肪吸引の吸引量は少ないためダウンタイムは少ないです。
腫れは直後がピークで1週間もすればほぼ引いています。
内出血は出るときと出ないときがあって出た場合は1〜2週間かけて吸収されます。(出るケースの方が多いです。)
なお、圧迫は当日必要な場合がありますのでクリニックの指示に従いましょう。
また、1ヶ月程度は脂肪吸引した部位はマッサージした方が経過は良いです。

【脂肪注入した部位のダウンタイム】

直後が腫れのピークです。
ただ、注入量にもよりますが数日〜1週間後には目立つ腫れはほとんどありません。
内出血は出るときと出ないときがあって出た場合は1〜2週間かけて吸収されます。
そのため、「手術日+2日間」の合計3日程度のお休みがあれば安心と言えるでしょう。
(脂肪注入量にもよります。医師に相談しましょう。)

脂肪注入の5の効果・メリット

1 半永久的な効果

注入し定着した脂肪は一生持続するという点が最大のメリットでしょう。よく比較される注入治療としてヒアルロン酸注入がありますが、ヒアルロン酸注入の持続期間は長くても2年間ということを考えると魅力的な点ですね。

2 自然な若返り

年齢とともに、加齢とともに脂肪や骨のボリュームは減少していきます。そのため、脂肪注入でボリュームを増やすことによって自然に若返ることが可能です。

3 滑らかな仕上がり

脂肪は柔らかいため、適切な層に注入されていれば仕上がりは滑らかで綺麗です

4 脂肪吸引した部位が引き締まる

二の腕や大腿から脂肪を少量吸引します。
ただ、少量の吸引でも脂肪吸引した部位のタイトニング効果があります。そのため、二の腕や大腿の引き締め効果が期待できます。

5 アレルギーがない

自分の組織・脂肪を使用しているため、アレルギー反応・免疫反応が起こることはありません。
アレルギーの心配がないため安心して施術を受けることができます。

脂肪注入の9の注意点・リスク

1 脂肪は吸収される。

脂肪は必ずある程度は吸収されていまいます。
定着率には個人差もありますが、全ての脂肪が定着するわけではないということです。
定着率が良い場合でも50%という報告もあります。
そのため、1回で終わりではなく後日また脂肪注入を受ける必要性があるケースも少なくありません。

2 完成までに時間がかかる。

脂肪が吸収され定着かどうか分かるまでの経過には個人差がありますが3ヶ月間というのが目安です。
そのため、脂肪注入の完成にはある程度時間がかかります。

3 感染。

脂肪注入で注入した脂肪は感染してしまう場合があります。
ヒアルロン酸であれば感染した場合には溶かす注射をすればすぐに軽快しますが、脂肪注入の場合は簡単に溶かすことができません。
そのため、感染した場合の組織のダメージや治療期間などは長期化してしまう可能性があります。

4 脂肪の壊死・硬結・石灰化。

脂肪が定着せずに壊死や石灰化してしまうことが稀にあります。
そのため、経験豊富で安全で速やかな手技が脂肪注入には求められます。
5 凹凸のリスク。

適切な層に注入されていれば仕上がりは綺麗ですが、注入する層によっては凹凸してしまうことがあります。
脂肪注入の場合に厄介なのは凹凸した場合の修正が難しいことが少なくないことです。
ヒアルロン酸の場合は溶かす注射もあり修正は容易です。

6 しこり。

脂肪を注入してしこりができてしまうことがあります。
しこりができてしまった後の修正は難しいことが少なくないことです。
ヒアルロン酸の場合は溶かす注射もあり修正は容易です。

7 ヒアルロン酸が注入されている場合は溶かす必要がある。

脂肪注入をする部位にヒアルロン酸注入がされている場合は脂肪注入する前にヒアルロン酸を溶かす必要性があります。
ヒアルロン酸が注入されていると脂肪への血流が不十分となり感染・壊死・定着率の低下というような結果となってしまうからです。
脂肪定着は血流が豊富であることがとても大切ということが言えます。【1】

8 針跡が1ヶ月間残る

脂肪注入をするときの針は18G針を用いるため針跡は程度の差はあれ必ず色素沈着します。
針跡は数カ所のためあまり目立ちませんが針跡の色素沈着は1ヶ月程度残ります。
なお、最終的には針跡は分からなくなります。

9 脂肪吸引部の凹凸

脂肪吸引部に凹凸ができてしまう場合が稀にあります。
痩せすぎている人でない限りは滅多に起こりません。
起きてしまってもマッサージ等で様子をみれば軽快することが多いです。

脂肪注入以外の2つの治療方法

脂肪注入以外だと以下の2つの治療を用いることが多いです。

1 ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸は元々肌にある物質であり、それを注入剤としてつくられた製剤です。
ヒアルロン酸注入をすることによってボリュームを出してしわをうめて消したりすることが可能です。
シワ改善・若返り効果を直後から実感することができます。
また、ヒアルロン酸注入は仕上がりが気に入らなかった場合は溶解剤(ヒアルロニダーゼ)によって溶かすことも可能です。
ただ、吸収されなくなってしまうため永久には持ちません。
効果持続は製剤によっても異なりますが、6ヶ月〜12ヶ月程度のものが多く最大でも24ヶ月程度となります。

※ヒアルロン酸注入に関して詳しくはこの記事参照。
【医師解説】失敗しないヒアルロン酸注入の全ての知識。効果・7つのリスク・製剤種類

2 成長因子注射

グロスファクター注射とも呼び細胞を活性化する成分が含まれています。メインとして含まれているのがFGFであり肌の細胞である線維芽細胞という細胞を活性化させます。
線維芽細胞を活性化させることによりコラーゲンやヒアルロン酸が増生されシワが改善したり肌にハリが出ます。
ある程度長期的に持続するという利点がありますが、効果には個人差があり結果が不安定なのとしこりなどができるリスクもあります。

※成長因子注射に関して詳しくはこの記事参照。
【医師解説】成長因子注射の4つの効果・4つのリスク・持続まとめ。

まとめ

以上が脂肪注入の流れ・ダウンタイム・効果・注意点・リスクについてでした。
いかがだったでしょうか。
脂肪注入は自然に半永久的な若返りが可能な有用な治療ですが、リスクはゼロではありません。
そのため、事前に医師からリスクに関して十分に説明を聞いて信頼できる医師を選びましょう。

【参考文献】
【1】Suga H et al:Adipose tissue remodeling under ischemia: death of adipocytes and activation of stem/progenitor cells.
Plast Reconstr Surg. 2010 Dec;126(6):1911-23

【関連記事】
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