美肌・若返り

【美容皮膚科医が教える】CO2フラクショナルレーザーのニキビ跡治療の効果・注意点

「ニキビ跡のクレーターが気になる。」
「ニキビ跡の肌の質感を改善させたい。」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
そういったお悩み、ニキビ跡や肌質を改善させるのに有効なのはCO2フラクショナルレーザーです。
では、今回CO2フラクショナルレーザーについて美容皮膚科について説明していきたいと思います。

CO2フラクショナルレーザーとは?

フラクショナルレーザーとは2004年にMansteinらが報告した新しいレーザー照射方法です。<1>
10600nm波長の気体レーザーで水分に吸収され熱発生を起こすCO2レーザーを点状に照射して肌に微細に穴を開けます。
開けた穴から肌の再生が起こります。
1回の治療で肌の入れ替わりが5〜10%起こることとなります。

CO2フラクショナルレーザーの効果

回数を重ねるごとに肌が綺麗になっていきます。
1、2回で効果を実感できることは少なく、6、7回経過した頃に効果の実感ができることが多いです。
そのため、根気強く治療を受けることが重要となってきます。

CO2フラクショナルレーザーのダウンタイム

当日の洗顔やメイクは通常できません。
赤みが2,3日間、肌のざらつきが1週間程度出ます。
そのため、ダウンタイムが出てしまうレーザー治療となります。

CO2フラクショナルレーザーの8つの注意点

1 痛みがある。

レーザーの中では痛みが強いタイプのレーザーとなります。
そのため、表面麻酔クリーム(※)を塗ってからレーザー治療を受けた方が良いと言えるでしょう。

(※)表面麻酔クリームはリドカインクリームというものを使用する場合が多いです。表面麻酔クリームを塗って20〜30分待つことによって痛みを軽減することが可能です。

2 ダウンタイムがある。

美容医療のレーザーはダウンタイムがないものもあればあるものもあります。
CO2フラクショナルレーザーはダウンタイムのあるレーザーです。
なお、赤みの出方には個人差もあるため初めてCO2フラクショナルレーザーを受ける方は翌日がお休みの時に受けると良いと言えるでしょう。

3 やけどしてしまうことがある。

非常に稀ですが、レーザーですのでやけどのリスクがあります。
ただ、やけどが起きてしまった場合でも軟膏治療(※)により軽快します。
数日で軽快することがほとんどですが、長い場合は軽快するまでに1〜2週間程度かかってしまう場合があります。

(※)ロコイドなどの弱いステロイド軟膏を使用して治療します。

4 色素沈着や跡が残ってしまうことがある。

非常に稀ですが、色素沈着してしまう場合があります。
3.8%程度の確率で跡が残ってしまうという文献による報告もあります。<2>
特に頸部や下眼瞼などに強力な設定で治療を行った場合は起きやすいという報告があります。
これはレーザー後の日焼けや体質的な要素もあります。
また、肝斑がある方の場合は美白剤の使用と十分な日焼け対策が大切となります。
色素沈着してしまった場合にどの程度で治るかはケースバーケースです。
1ヶ月程度で治ることもあれば、6ヶ月程度かかる場合もあります。
なお、できてしまった色素沈着を早く改善させる方法としては、内服薬(トラネキサム酸など。)・外用薬(ハイドロキノンなど。)・レーザートーニングなど様々です。
どんな治療が適しているかは色素沈着や肌の状態によりますので医師に相談しましょう。

5 感染してしまうことがある。

非常にまれですが、ステロイドの使用が不適切であったりなど色々な要因が重なると感染してしまうことがあります。<2>
感染してしまった場合は抗生剤内服や抗生剤外用が必要となります。
そのため、施術後に肌が赤く・痛みを強くともなった場合はクリニックを早めにクリニックを受診しましょう。

6 皮膚炎が起きてしまうことがある。

非常にまれですが、真皮の皮膚炎が起きてしまうことがあります。<2>
そのため、万が一お顔が赤く腫れてきたりなどの症状が出た場合は早めにクリニックを受診しましょう。

7 紅斑が長引いてしまうことがある。

非常にまれですが、紅斑が長引いてしまうことがあります。<2>
その場合はダイレーザーなどが有効な場合がありますので紅斑が長引いてしまっている場合はクリニックを受診しましょう。

8 効果が思ったほど実感できない。

CO2フラクショナルレーザーは回数が必要となります。
そのため、回数が少な場合は効果の実感が今ひとつということが少なくありません。
また、CO2フラクショナルレーザーをどれだけおこなってもニキビ跡がゼロにはなりません。
そのため、CO2フラクショナルレーザーはよく言えばやればやるほど綺麗になるレーザーですが、場合によっては回数がかかる割には効果はそれなりということもあります。
回数を重ねれば良い結果にはなりますが根気のいる治療ではあります。

CO2フラクショナルレーザーの4つのメリット

1 ニキビ跡・クレーター治療の王道・ゴールドスタンダード。

CO2フラクショナルレーザーはリスクが少なく効果があります。
そのため、ニキビ跡・クレーター治療においてリスクが少なく効果がもっとも信頼できる治療ということができます。
ニキビ跡・クレーターで悩んでいる方はまず一番にCO2フラクショナルレーザーで考えましょう。

2 やればやるほど肌が綺麗になる。

肌の入れ替え効果は1回の治療で5〜10%程度です。
そのため、やればやるほど肌を綺麗にすることが可能です。
6回以上施術を受けることを推奨します。

3 肌のハリが出る。

肌にハリが出たり化粧ノリがよくなるような効果が出ます。
ニキビ跡が綺麗になるだけではありません。

4 リスクが少ない。

CO2フラクショナルレーザーは他のablativeレーザー(※)と比べて色素沈着などの合併症が少ないと言われています。
リスクが少なく安全性が高いということは大きな魅力ですね。

(※)肌の入れ替えを行うレーザーです。ブリッジセラピーなどがあります。

そもそも、なぜCO2フラクショナルレーザーがニキビ跡に効果があるのか?

CO2フラクショナルレーザーの照射による作用は肌の真皮深層にまで及びます。
そして、真皮のコラーゲンや弾性繊維の再生や再構築が起きます。
そのため、肌の真皮層のコラーゲンや弾性繊維を増加させ厚みを増す効果があるというわけです。その結果として肌の質感が改善し、周囲との凹凸が平坦化してニキビ跡やクレーターが目立ちにくくなります。
このことは多くの文献によって報告されています。
<3><4>

同じ美容皮膚科で治療を継続させた方が良いのか?

CO2フラクショナルレーザーはその出力・設定によってその効果や赤みなどのダウンタイムが異なります。
回数を重ねていく中で出力は少しずつ上げていき最適な設定にしていきます。
いきなり出力を上げてしまうとダウンタイムが長くなるばかりか色素沈着などの合併症のリスクがあります。
そのため、いきなり高い出力でレーザーを当てることは肌に適切と言えないため行うことは通常ありません。
つまり、同じ美容皮膚科で治療を継続して出力・設定を徐々に上げていくことが良いと言えるでしょう。
違う皮膚科でCO2フラクショナルレーザーを受けると初期設定の低出力での施術を受けることになってしまうため十分な効果を期待することができないばかりか副作用・合併症のリスクも上がってしまいます。

CO2フラクショナルレーザー後に赤みが強く出すぎてしまったらどうすれば良い?

処置直後に冷却し直後はステロイド軟膏(ロコイドなど。)を外用するのが一般的です。
また、保湿および紫外線対策をしっかりと行いましょう。

ピーリングと併用できる?できない?

ケミカルピーリングは美容皮膚科でもっとも行われているスタンダードな皮膚処置です。
ケミカルピーリングでクレーター治療は難しいと言えますが、ニキビや軽度のニキビ跡には効果が期待できます。
そんなケミカルピーリングですがCO2フラクショナルレーザーとの併用はできません。
これは、ピーリングしている状態でレーザーをすると肌が薄い状態なので肌に負担がかかりすぎてしまうからです。
つまり、予想以上に赤みなどのダウンタイムが長く出てしまったり色素沈着のリスクがあるということです。
そのため、CO2フラクショナルレーザーの前後2週間のケミカルピーリングの施術はしない方が良いです。

フォトシルク(IPL)と併用できる?できない?

フォトシルク(IPL)はニキビや赤みのあるニキビ跡に有効な治療です。
そんなフォトシルク(IPL)とCO2フラクショナルレーザーを同日に併用することが基本的に可能です。
併用した場合はフォトシルクをしてからCO2フラクショナルレーザーを照射する流れとなります。
ただ、肌の状態にもよりますので医師の診察を受けましょう。

ディフェリンやデュアックなどのニキビの薬と併用できる?できない?

ディフェリンやデュアックはピーリング作用のあるニキビ治療の外用薬です。
これらの薬を使用中にCO2フラクショナルレーザーができるかどうかは肌の状態によります。
(デュアック以外の過酸化ベンゾイル系の薬は全て同様な対応となります。)
つまり、赤みが出ている状態であったり、乾燥が強いような肌ですとレーザーを照射することはできません。
ディフェリンやデュアックはレーザー照射の前後1ヶ月間原則禁止としているクリニックも中にはあります。
そのため、CO2フラクショナルレーザーが照射できるかどうか肌の状態を医師に診察してもらいましょう。
なお、ダラシンゲルなどの抗生剤の外用薬を使用中の場合は問題なく照射可能です。

まとめ

以上、CO2フラクショナルレーザーについてのまとめでした。
CO2フラクショナルレーザーはクレーターや瘢痕のあるニキビ跡治療のゴールドスタンダードという地位を確立しています。
また、リスクも比較的少ないです。
そのため、クレーター・ニキビ跡で悩んでいる方はまず一番に考えてるべき治療でしょう。

<今回の記事の参考文献>
【1】Manstein D et al:Fractional photothermolysis: a new concept for cutaneous remodeling using microscopic patterns of thermal injury.
Lasers Surg Med. 2004;34(5):426-38.
【2】William M. Ramsdell et al:Fractional CO2 Laser Resurfacing Complications
Semin Plast Surg. 2012 Aug;26(3):137-40.
【3】青木律、赤石論史、小川令ほか:ヒアルロン酸による瘢痕治療.瘢痕ケロイド治療ジャーナル4:2-6.2010
【4】岸陽子:Er:YAG Fractionalレーザーによる瘢痕治療.日レーザー医会誌34:175-179.2013

関連記事