美肌・若返り

脂肪注入やヒアルロン酸注入など美容注入治療の合併症・注意点まとめ。【医師解説】

・美容医療の注入治療を論文ベースにまとめます。

美容医療においては様々な注入治療があります。
今回それを論文ベースに注入治療のリスクや注意点をまとめていきます。

今回の文献

「Complications of Injectable Soft Tissue Filler」
Woo Young Choi et al:Arch Aesthetic Plast Surg 2015;21(1):1-6

です。

美容医療の注入治療をまとめた論文で権威ある医学論文雑誌に掲載されたものです。

注入治療においては以下の3つのカテゴリーに分けられると書いてあります。
1 自分の組織(autologous)
2 生物学的な注入物(biologic)
3 人工の注入物(synthetic groups)

では、それぞれに関して説明していきます。

自分の組織(autologous)

このグループは自分のものを注入するというカテゴリーです。
真皮、筋膜、軟骨、脂肪などが含まれます。
その中でも一般的なのは、脂肪と言われています。
(Among them, autologous fat is most common injectable material.)

そして、脂肪は無毒であり、非癌性物質であり、生体適合性があり理想的な注入物です。
(Autologous fat is regarded as ideal material in terms of nontoxicity,noncarcinogenicity, and biocompatibility.)

ただ、脂肪がどの程度吸収されていくのか予測不可能な点や、脂肪を採取する部位が必要なためその施術の不便さなどの欠点も指摘されています。
(But a major drawback is its unpredictable absorption rate.So autologous fat graft is a good but somewhat inconvenient option compared with commercial products)

自分の組織のまとめ

・注入する自分の組織で最も使われるのは「脂肪」
・脂肪は安全性が高く理想的な注入物と言える。
・脂肪はどの程度吸収されるか分からないという欠点がある。
・脂肪を採取する必要もあり、あまり手軽な施術ではないという側面がある。

生物学的な注入物(biologic)

このグループの注入物は広く使用されています。
(Biologic fillers have been used widely.)

コラーゲン、ヒアルロン酸などが含まれます。
ただ、過敏症や免疫拒絶を引き起こすことがありその効果は一時的である。
(However they can cause hypersensitivity reaction and immune rejection response and the effect lasts temporarily.)

ヒアルロン酸はダウンタイムが少なく、内出血が少なく、注射時の痛みも少ないです。
ヒアルロン酸注入は最も使用されている注入物の一つです。
(The benefit is decreased downtime, decreased bruising,decreased pain on injection.
HA filler is the most commonly used one.)

ヒアルロン酸はグリコサミノグリカンであり骨や軟骨や皮膚をつなげていて、滑液であり体の中にある物質です。
(HA is a glycosaminoglycan which is a component of connective tissue such as bone,cartilage,skin,and synovial fluid.)

ヒアルロン酸で代表的なものに非動物性で安定したヒアルロン酸のレスチレンがあり2003年にFDAの認可を顔のしわ治療において取得しています。
(Restylane is a nonanimal stabilized HA gel and was approved by Food and Drug Administration(FDA) in 2003 for facial wrinkle correction.)

また、レスチレンには粒子サイズの異なるレスチレンタッチやパーレーンがあります。

生物学的な注入物のまとめ

・生物学的な注入物で最も使われるのは「ヒアルロン酸」
・生物学的な注入物は過敏症などが起きるリスクがありその効果は一時的という欠点がある。
・ヒアルロン酸注入はダウンタイムが少なく手軽で広く使用されている。
・ヒアルロン酸は元々体の中にある物質で安全。
・ヒアルロン酸製剤のレスチレンはFDA認可を取得しておりパーレーンなどのシリーズもある。

人工の注入物(synthetic groups)

人工の注入物には、シリコン、PMMA、カルシウムハイドロキシアパタイト、PLLAなどがあります。
(there is the synthetic filler which is made using silicone,polymethylmethacrylate(PMMA),Calcium hydroxyapatite, and Poly-L-lactic acid(PLLA).)

これらの注入剤は永久的な効果があります。
(The effect of synthetic filler continues permanently.)

シリコンは過去に美容目的に使用されていたが、たくさんの問題が起きました。
(Silicone had been used for aesthetic purpose in the past, but it has many problems.)

シリコンは注入後に硬くなり移動します
(It becomes hardness and migrates.)

また、シリコンは炎症や皮膚壊死も引き起こします。
(Also silicone causes inflammation and skin necrosis.)

永久的な注入物は長期間体の中に残ります。
吸収される注入物よりも合併症のコントロールが難しいと言えます。
(The permanent filler remains in the body for a long time, it is more difficult to manage the complication than reversible filler.)

人工の注入物のまとめ

・人工の注入物には、シリコン、PMMA、カルシウムハイドロキシアパタイト、PLLAなどがある。
・シリコンは過去に美容目的に使用されていたが、硬くなったり・炎症・皮膚壊死など様々な問題が起きた。
・永久的な注入物は効果の持続が良いが、何か合併症が起きた時の治療が困難である。

注入治療の合併症

内出血、腫れ、赤み、痛みなどが一般的な合併症です。
ヒアルロン酸注入などをして90%以上の人がこれらの一般的な合併症が起きた時に7日以内かそれよりすぐに改善することが多施設を比較した研究で明らかになっています。
(Narins et al. revealed that over 90% of patients treated with HA filler or bovine collagen showed these symptoms and which improved within 7 days or less in his multi center comparative study.)

顔は血流や代謝が良いため注入後に感染などは通常ほどんと起こりえません。
(The face has good blood supply and metabolic rate, so infection after filler injection is not common.)

過敏症・アレルギーはヒアルロン酸注入では通常起きません。ただ、アレルギーの報告はあります。(Hypersensitivity reaction of HA filler is not common but sometimes is reported.)

PMMAは注入後に時間の経過とともに肉芽種や結節が起きてしまうリスクがあります。
(PMMA can also cause the delayed granulomatous reaction and make late-onset nodule.)

注入治療の合併症まとめ

・内出血、腫れ、赤み、痛みなどが一般的な合併症。
・合併症は基本的に7日以内に改善する。
・感染は滅多に起きない。
・ヒアルロン酸注入のアレルギーは通常起きないが、稀に起きることがある。
・永久的な注入物のPMMAは肉芽種や結節のリスクがある。

安全な注入方法

以下の5つの注入テクニックが重要と記載されています。

1 アスピレーション(注入する前に吸引して血管に刺さっていないか確認すること)をすること
(aspiration before injection,)

2 引きながら注入すること
(injection with needle withdrawal)

3 ゆっくり少量ずつ注入すること
(slow injec- tion of small amount,)

4 マイクロカニューレ(鈍針)を使用すること
(using the blunt-tipped microcannula)

5 指で圧迫したり、テント状に注入すること
(pinching and tenting)

私も普段の注入の際にはこれらのテクニックを踏まえた注入方法を日々行っております。

結論(CONCLUSION)

注入治療は他の方法と比較してシンプルに美的な満足を達成することができる。
(Soft tissue filler is a simple and easy method to achieving the satisfying aesthetic result compared with other methods.)

しかし、軽率な注入は多くの合併症を引き起こしてきた。
(But indiscreet use of filler can cause many complications.)

合併症を減らすために、注入剤を使用した一般的な合併症の特性や起こりえることを医者は知るべきです。
(To reduce the complications, clinicians should know the properties and possible complications of the commonly used fillers.)

十分な教育と注入テクニックの経験が大切です。
(Sufficient education and practice of injection techniques is important.)

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。
注入治療は手軽で効果的ですがリスクはゼロではありません。
そのため、信頼のできる医師に注入治療はお願いしましょう。

【参考文献】
・「Complications of Injectable Soft Tissue Filler」
Woo Young Choi et al:Arch Aesthetic Plast Surg 2015;21(1):1-6
(https://e-aaps.org/Synapse/Data/PDFData/2014AAPS/aaps-21-1.pdf)

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